絲的ココロエ

 

絲山さん、存じあけずに作品をたのしんでいたが、双曲性障害で、病気のため会社をやめて時間ができたときに文章を書きはじめられたらしい。この本は当事者としてどういう風に病気をてなずけてきたかのことで、なかなか当事者のそのときの感じを分析しながら書いたものに今まで巡りあわなかったものだから、そういう感じなのかと参考になった。(どれくらいのしんどさだったら医者にかかったらいいかのバロメーターなども自分がせねばならないことの面倒くささをA~Fまでのランクにわけてこの位のことができなくなったら医者に相談せよという指針を出されたりして明瞭だ。)自分の心のバランスを失いかけた時の処方箋にもなりそうな、落ち着いた頼もしい書物であった。

絲山さんはゆっくり時間をかけて計画をたて実行するのは得意だが、仕事の内容が流動的だったり、土壇場で予定を変えられたりするとパニックになってしまい、普通の状態に戻るまで何時間もかかるそう。主治医に相談したところ「自閉症スペクトラムのどこかに位置していて、アスペルガー障害の傾向がある、との認識で間違いない」といわれたそう。そして、スペクトラムに属している人は濃いほうから薄いほうまで含めれば、決して少なくはないはずだと。確かに。特徴を勉強してなるほどと思うことは多いとのことで、「おのれの弱点を知れ」とはこどもなんかにはよくいっていたが、自分での実践、自分をまずみつめ、特徴を知って折り合いをつけるという考え方は生きやすくなるために有効だろうなと思う。

 

こちら↓のページ、とてもわかりやすくこの本のことがまとめてある。

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14章のハラスメントと承認欲求なども私もそう感じること多いな・・