十九歳の地図

中上健次原作作品。
19歳の、新聞配達をして生計をたてている予備校生の鬱屈。すごい情熱で配達先の気に入らない人間のリストや地図を作成し酷い目にあわせてやろうと日々夢想。電話をかけたり直接行動にも出るという、大人になってしまった人間からはどうにかしてほしいような状況が綴られている「タクシードライバー」的作品。(「タクシー~」が76年、こちらが79年。)主人公の年上の同室の文学くずれみたいた蟹江敬三がいい味を出している。彼が慕うマリアという女性(マグダラのマリアのイメージかな?)、沖山秀子の体当たり演技のすごい存在感。新聞配達所の店主の妻原知佐子は色っぽい魅力がある。