ティント・プラス監督の「鍵」。大胆ではあるけれど、ファシズムの台頭という時代のプレッシャーやベネチアの持つ夜の暗さや昼の水路の美しさがすごくうまい味付けになって、神代監督版*1みたいな滑稽さとかあまりなく、実は谷崎の本質みたいなねじ曲がった愛情の物語としてなかなか良質に仕上がっているように感じた。

音楽はエンニオ・モリコーネ。ひとつひとつの表現は扇情的だったりするのだけど、画面は美しく、格調高い雰囲気がするのもこの映画の強味だ。 

 みたのはVHS版。