ぼくの心はバイオリン

台詞の少ない映像詩のような作品。自然がともだちのような環境で音楽に目覚めた少年が出会う音楽家の老人との夢のような時間。二人をとりまくメキシコの情景が現実的でもあり幻想的でもあり。あの世とこの世、動物と人間、老人と子供、呪術と医学・・二つの要素が入り混じって作っていく作品世界。冒頭のアッシジのフランシスコのように鳥たちと心を通わす少年の姿や、相当な経歴を持っているような老人の、今はお菓子を売りながら音楽をきかせて日銭を稼いでいる姿、少年と出会った時のとまどい、そして交流をしているときの素晴らしい表情、万霊節のシーンなど、素朴だけどとても心に残る。よい作品と出会えて嬉しい。

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