ガラスの動物園

ボール・ニューマンの仕事ってほんと名前のメジャー感からは想像つかないほどの地味で繊細なところに目が行き届いていて接すれば接するほど好きになる。

この監督作品「ガラスの動物園」も繊細な表現でジョン・マルコヴィッチ演じる主人公の姉ローラに寄り添っており、ポール・ニューマンの心意気のあふれるものだった。南部で贅沢に暮らしていた時代が忘れられない母親の、オレ流のたまらなさ、これ20代でみていたら、なんという嫌な母親!で済ませていたかもしれないが、50代の現在みると、母親の気持ちもわかるし、他者からみたら彼女の必死さが空騒ぎみたいにみえてしまう哀しさもわかる。そして、それが肉親であるからこそかなわんなあと思ってしまう子の心も。

ジョン・マルコヴィッチがずいぶん若くて雰囲気が違っていて驚いた。

タイトルのガラスの動物園とは、内気なローラが大切にしているガラス細工の生き物たち。それらを介してのことばがローラ自身という感じで、こういう作品の心を伝えるポール・ニューマン、ほんとにいいな。

 

ガラスの動物園 [VHS]

ガラスの動物園 [VHS]