花へんろ 新・花へんろ

花へんろ」の最終話が放映されるということで、以前のシリーズが放映されていた。早坂暁氏の自伝的な物語で、一番最初の「花へんろ」は早坂さんの祖母にあたるしっかりものを沢村貞子さん、伯父にあたる道楽者を中条静夫さんが演じておられて、これがもうぴったり。中条さんの、横着なことしてもどこか憎めないような雰囲気ものすごくよくて。「新・花へんろ」の時代になると、沢村さんも中条さんも亡くなっておられ、沢村さんは役の上でも死去、中条さんのされてた役は橋爪功氏が演じておられた。橋爪氏も悪くないのだけど、あの、中条さんの感じ、あれはどうしてもオリジナルのものだなあ。
花へんろ」の方は総集編の放送で、まとめられてしまった部分によいシーンがいろいろあったよう。一度総集編でない形でみてみたいな。
桃井かおりさんが、早坂暁氏のお母さんがモデルで作られた役をされていて、歌手を目指して上京しようと思うも、関東大震災であきらめ、四国でお嫁さんとして暮らしていく→その中で、沢村貞子に見込まれ、劇場を任されるという流れなのだけど、大好きな、ためらったような口調で、おずおずと、でも自分の思うところを話して世界を広げていくさまがとても素敵で。そして、地元の仲間を演じるイッセー尾形さんとのかけあいがよい空気で、お二人の舞台を大阪にみにいった日*1のことを思い出した。さまざまな人々を二人で演じていかれるのだけど、舞台上での着替えの美しいこと!お手本にしたいような神々しさでいつも心の中に生きている。