愛のさすらい

原題 「THE TOUCH」。1971年 イングマール・ベルイマン監督作品。
先日NHK玉三郎さんの「伝心」という番組で「阿古屋」の解説をされながら、ケレン味と文学性の話をされていたが、最近よく言えばケレン重視のような映画を観続けていたので、久しぶりに、描かれた状況を観察し熟考する楽しさを味わう映画に出会えてとても満足。
理性の勝った人たちの理性ゆえの幻滅戸惑いなども細部が丁寧に描かれており、どこに落ち着くのだろうという、物語を味わう喜びもあり、よい時間を過ごせた。
机に飾られている花の色(黄色が中心で、赤の時のある。)、秋に黄色く色づく葉っぱ、その中の芽吹き・・静かに、でもどこか雄弁な気配でカメラが語っていく、とても贅沢な時間を過ごせた。

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