仲代さんの芝居はすばらしいし、このときの仲代さんをカメラに収めたという意味では価値あると思う。
脚本はもう少し練り込んでほしい。「リア王」の話をなぞっている、それだけになっていて、上の娘原田美枝子の心情やそこからの仲代さんの境遇もざっくりしすぎている。まず気になったのはfilmarksでも書いておられる方がいらしたが、「施設」=親捨てのような表現。この作品の長女は厄介払いの雰囲気だったかもしれないが、なにか簡単に割り切ったそのセリフは現実離れしたもののようにも思えた。
さらに日本映画専門チャンネルで、監督と軽部真一氏の会話の中にあった、これは老俳優のみていた夢とするかどうかという話、老いたる世界というのは、そんなここから認知症とかはっきりしたものでなく、あっちの世界とこっちの世界が混ざり合ったりしていく、グラデーションがあるのではないかと思うのだが。。
また、もう一人の娘黒木華がいわされているセリフもこういうことありそうだなという訴える力に欠け舞台劇ぽくて映画の世界になじんでいない気がした。(演技ではなくそのセリフの設定に問題を感じた。)
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