メイド・イン・ホンコン

香港映画のオムニバス作品*1でやっと認識したフルーツ・チャン監督のデビュー作。「香港映画のイメージを覆す、全く新しい映画が誕生した!」とビデオジャケットにあるが、それまで、カンフー映画やそのパロディのコミカルな映画のイメージだったのかもな・・
監督がみつけたというサム・リーの透明感。小鹿のようなしなやかさ。彼は中学卒業後、取り立ての手伝いをしている大人未満な役。主人公の住む低所得者用アパートの一室であっても、取り立て先の部屋であっても、また、彼らを動かすある少女の自殺の場面であっても、画面構成がとても美しく、また主人公の生き方もあいまって、大変みずみずしい。夏から秋にかけての空気を感じる映画。

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