リトル・チュン

NHKアジアフィルムフェスティバルのページ
先日香港のオムニバス映画*1をみて惹かれたフルーツ・チャン監督。手始めにこの作品から入門。返還直前の香港が舞台。香港には80年代後半に一回しか行ってないけれど、その時自分が感じた、たくましい「香港」の空気がそこかしこから漂っていた。
主人公の男の子、チュンが「リトル・チュン」と呼ばれる由来のような俳優ブラザー・チュン。NHKアジアフィルムのサイトによると、名前は新馬師曾(サン・マーシーチャン)。1916年生まれの彼は1936年のデビュー作『美滿因縁』以来、300本近い映画に出演した名優とのこと。ブラザー・チュンの話とのからませかたがよいつくり。エンドロールでのブラザー・チュンの紹介の仕方も洒落ている。
リトル・チュンと少女とその妹とのふれあいや、チュンのおばあちゃん、フィリピンからおばあちゃんのお手伝いに来ているアーミなど、日本的なつきあいとはまった違う、はっきりしているけど、あったかい、それでいて風の吹くままのような空気、これぞ香港だなあと楽しめた。
かわいいだけの映画でなくどっちかいうとビターな風合い、これもよかった。