人間座第62回公演 幽霊はここにいる

安部公房の作品を岡本昌也さんという学生演劇のホープが演出とのこと。
パンフレットの言葉にある岡本さんの言葉に「58年前に書かれた戯曲であり、当時の言葉遣いや価値観はぼくにとって受け入れ難いもので、この戯曲を扱うにはどうしても子供だけど、『話が通じない人、価値観が違う人とどう対話するか』という子どもとしての立ち位置でなら扱えるかと思った。」(意訳)というようなことが書かれており、なるほどなあと思った。モニターを使ったりする新しい演出、オリジナルという劇中歌、生き生きしていていまのときにあっていておもしろかった。
安部公房の、なにか表層的には面白い感じだけど暗喩に満ちていて・・みたいな空気は久しぶりで楽しかった。
小さな小屋での演劇も久しぶりで、目の前の人間の躍動に本当に驚いてしまう。
多賀勝一さん、高校生の時くるみ座でお芝居をみて、その演技がすごく心に残っているのだけど、かわらず人を惹きつける魅力に満ちていた。
すわらじ劇団の渡邊鋭二さんが、まるで一時の中村座中村小山三さんみたいに、劇場の守り神のように出てこられるのもよい感じ。

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