子供たちの王様

同じチェン・カイコー監督の「大閲兵」*1をみたときも感じたが、まるで観察映画の趣きで、遠いところから状況をみるようなカメラづかい。あまり説明なしで観客がみていくことで話を理解するような流れ。ビデオジャケットに「映像の詩人」という言葉が書かれているけれど、建物を遠くから映してそこに立っている人の気持ちをあらわしたり、少しイランのアッバス・キアロスタミ監督のことも思い出したりした。(キアロスタミ監督の方が撮っておいてウィンクしているようないたずらっぽい気配は感じるのだけど)
wikipediaチェン・カイコー監督の項(こちら)をみていると、紅衛兵の時代に父親を糾弾した旨の記述があるけれど、自分のバックグラウンドにもがいてしまい社会運動にも少し加わった太宰治の姿を思い出したりもした。この映画も「北京ヴァイオリン*2も父が次代に託す思いが強調具合は違うにしろベースに描かれていて監督の思いを感じる。

子供たちの王様 [VHS]

子供たちの王様 [VHS]

  • 発売日: 1991/03/23
  • メディア: VHS