出発

「早春」*1が心に迫ったイェジー・スコリモフスキー監督作品。
主人公マルクを演じるジャン=ピエール・レオ―が黒いタートルネックを着るファーストシーンで、これはスコリモフスキー監督による「大人は判ってくれない」*2の続編風というようにみえた。美容師の仕事をしているマルクはただただポルシェでラリーに参加したいがためにふらふらと詐欺や窃盗も含めて色々な手段を講じるが、とことんワルではなく、最低限の落とし前はつけていく。行き当たりばったりな感じで稚拙なんだけど、そこがまた「大人は〜」のアントワーヌの大きくなった姿にみえなくもなくて・・67年の作品ということで、ジャズの旋律*3、画の按配に時代の空気を感じる。ポルシェ目当てで近づく美容院の顧客、多分40代くらいのマダムのつけまつげ風のメイク、雰囲気、マルクがつきあう女の子ミシェル*4のウィッグファッションなどいい感じ。

出発 [VHS]

出発 [VHS]

*1:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20160723/1469279558

*2:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20121025/1351128451

*3:ポーランド出身のコンポーザー、クシシュトフ・コメダという方によるもの

*4:ゴダールの「男性・女性」で共演したばかりのカトリーヌ=イザベル・デュポールという女優さん