紙の月

テレビドラマでしている時みていたのだけど、角田光代原作らしく人物の描写が容赦なくて、甘ったるい考え方の主人公に近親憎悪的な気持ちも手伝い、どうなるんだ・・と面白くみていた記憶が。ドラマの方では同じ学校を出た仲間同士のそれぞれの、あってもなくても、また贅沢しても倹約してもお金に振り回される悲喜劇が描かれていたように思う。ドラマをみたことで、映画の方はもういいかなと思っていたのだけど、この映画での小林聡美をほめておられる方をネットでお見かけし、みることにした。確かに小林聡美がいい。まじめに仕事をしているのに報われなく、しかし信念を失わず突き進むところがハードボイルド物の主人公のようで。なんともかっこよかった。宮沢りえ演じる主人公は、ミッション系の中学だか高校だかの時に、発展途上国への援助プログラムで相手の喜ぶ顔をみるのがうれしいあまり、家のお金を持ち出すというような前科が描かれていて、若い男に溺れて年寄りの金を横領したりするのも、ただ相手の男の喜んでいる顔が見たかっただけ、みたいな雰囲気に作られていたが、結局承認欲求や乾きがエスカレートして?みたいな感じだろうか。。男とのシーンなどきれいげな音楽とかで表現されていてもふーん・・という感じで。もちろん姿かたちは美しいのだけど・・
でも何よりかにより小林聡美。他の登場人物が腐りすぎていて・・あっだけど、後半の石橋蓮司氏の軽いジャブって感じのシーンもよかった。。やはり「桐島〜」*1の監督だけあって、隅々のこういうところをしっかり描いていくのかも。

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