重版出来! 8

作品を世に出すための出版社側の努力・・それが、「儲け」とかいうイヤな感じでなく、「成果」を出すこと・・という風にとらえることができるのは、主人公が、元柔道の選手で、という、ソフトなスポ根設定もきいているな。その加減もうまいなあ。。でも、松田さんの作品はまっすぐなものを感じ、計算とか感じられない。松田さんが信じる道を描いている気がする。
この巻ではあとがきのドラマの感想がうれしかった。ドラマで、「トキワ荘」でいうところの寺田さんのような、ムロツヨシ氏演じる沼さんが田舎に帰る回、松田さんも書いておられるが本当に美しい回だった。
ドラマ以降、松田さん自身もドラマに少し影響され、ちょっとキャラクターがドラマ寄りになってきている話もおもしろかった。それもあってか、ドラマで荒川良々さんが演じていた壬生さんがこの巻では前よりわたしにしっかりとした印象を残すようになっている。