カルト村で生まれました。

この著者は、移動販売で卵や野菜などを売りに来て、「タダの祭り」というイベントのチラシなどを配っている有名なY内部で生まれ育った人。絵がかわいらしく、口調も柔らかでおもしろいので、読みやすいけれど、集団ってこわいなあという気持ちになる。自給自足していたり、基本素朴で悪くないなと思う部分もあるのだけど、やっぱり組織行動、融通の利かなさ、極端さとか怖ろしいなあと思う。こどもたちは、共同生活をしながら地域の学校に行っているけれど、やはり組織最優先で、気分次第のお仕置きなどで遅刻させられたり、ずいぶん偏っていて、普通にこどもが享受できるはずのことができなかったりしている。途中から、組織の方針がかわって、親が組織に属していない一般社会のこどもがきたりすると、純粋培養的だったはえぬきの組織のこどもたちが俗っぽくなったり、贅沢なことなどを学んだりして少し変質し、その風潮あまりよくないなあと筆者が感じる瞬間など、ちょいと共感しながらいろいろと考えさせられる。よさげな部分もあるからカルトって心酔する人がいるんだよな。

カルト村で生まれました。

カルト村で生まれました。