遠き日の思い出、個人の思いと社会というような構造は少し「野菊の如き君なりき」*1とも似ているのだけど、この映画はなんといってもイギリスの階級社会を実感させるものだった。「野菊の如き〜」は流された悲恋といえるけれど、これは人間の心の動きをくっきりみせていくもので、主人公は意思的に現在を選び取っている。野の花を都会に持ってきた時なにかそれが変質してみえてしまう瞬間の情けなさ、限界がうまく描き出されている。
女主人公に心を寄せる村の男と主人公との対比がまたうまい。何度も自分の中で反芻してしまうような映画。
英国映画をみたら必ず確認したくなるCheeky's Garden 英国党宣言 でのロケ地などこの映画の解説はこちら
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