平成28年 夏休み文楽特別公演

第一部 
五条橋
解説 ぶんらくってなあに
新編西遊記 GO WEST

第二部
薫樹累物語
伊勢音頭恋寝刃

第三部
金壺親父恋達引

第一部、夏休み親子劇場。こどもたちが熱心にみている。また体験させてもらっている時の必死の表情がいとおしい。字幕なしで、体感してもらう感じの趣向かな?外国の映画、日本語字幕なしでみたとしてもおもしろいものはおもしろい。逆に字幕に頼らない分目の前のことに集中できる、といった体験も思い出した。こどもたちの気持ちをつかむセリフ、壌晴彦氏の脚本に工夫が感じられる。また大田創さんという方の天竺をイメージした舞台美術の美しい事。象や更紗模様、薄いカーテンのような幕の工夫、そこに配されたボタンのような美しい紋様・・

第二部、凄惨な二本。「薫樹累物語」は怪談の塁ヶ淵のお話なんだけど、サイコサスペンスのような趣も。はなっから、これは。。無理がかかってるやろ。。と思うような話なんだけど、ドロドロしていて惹きつけられる。「伊勢音頭恋寝刃」、仲居万野があおるあおる・・「夏祭浪花鑑」の憎らしいお舅さん風に・・そうでもなければ、主人公の貢のことみんな嫌いになってしまうものなあ。だいたい外野がことをややこしくするものだよな。でも、その万野の衣装が粋だったりした。黒赤水色の美しいあわせかた。岩次という敵役の浴衣、舞台装置もよかった。蓑助さんあやつる女郎お紺、蓑助さんというと勝手に麻の葉模様の衣裳を着た可憐な娘役のイメージを持っているのだけど、今回のけなげな女郎お紺の、紫の衣裳も玄人っぽさがあり新鮮。

第三部 モリエール守銭奴」の翻案もの。文句なしに楽しめる。井上ひさし、素養もあっていい脚本を作っておられるのだなあ。


1階資料展示室の展示「文楽の新作」 新作のダイジェスト映像、古い時代の貴重な写真資料が並んでいる。堂本印象さんが美術考証と装置を担当されたという昭和31年3月に道頓堀文楽座「四季の曲」のデザイン画と実物が実にモダンで美しく印象的。

かっこいいポスターだな・・