略称連続射殺魔

足立正生監督(1969)なんともシャープでがつんと来る。永山則夫が転々としてきた土地の風景。北海道、青森、東京、横須賀、京都、梅田等々・・最小限のナレーションで風景を追うだけでなく、その画の構成がぐんと胸に迫る。
映画の中でも出てくるけれど、永山則夫最初の就職先渋谷の西村フルーツパーラーだったんだな・・西村フルーツパーラーの寮の廃墟のようなさまも他の、万博のマークに浮き立つ梅田の様子や大根踊りをしている農大生、バトントワラーなどの明るさとの対比でとても浮き立つ。

永山則夫の事件、こちらの記事も参考になる。

ふと当たり屋一家の流転を描いた大島渚の映画「少年」*1も思い出したが、同じ1969年の作品なんだ。あちらもざらっとしたような風景がとても心に残っている。