象を喰った連中

昭和22年 吉村公三郎監督作品。笠智衆さんの自伝*1で笠さんがすすめておられたのでみてみた。キャスト紹介も「象を喰った連中」「彼等をめぐる女たち」「象を喰はない連中」と分けられて出てきて、軽妙。
病死した象をステーキにして食べてしまった人々の話だけど、30時間*2で死亡事例があるとのことでのそれぞれのメメントモリが浮かび上がる。戦争を越してきた人々の時代の映画だからか腹が座っているのか、そんなにパニックにはならず、あまりシリアスな雰囲気になったりするわけではないけれど、残り時間を意識することによって人生の中で最後の最後残していきたいもの、やっておきたいことがみえてきたりする。

もじゃもじゃ頭とちょび髭の笠智衆さんも見どころだけど、GWに「歴史秘話ヒストリア」で紹介された、現場の人々の隠された努力*3で戦争を生き延びた象さんたちが出てくるのにも感激。(ほんとはマカニーとエルドと思われるがクレジットには名古屋東山公園カニー嬢、マルド嬢と・・その呼び方もほほえましくて・・)

象を喰った連中 [VHS]

象を喰った連中 [VHS]

  • 発売日: 1992/06/21
  • メディア: VHS

*1:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20160611/1465603176

*2:ビデオパッケージにはなぜか24時間と紹介されている

*3:軍の獣医三井大尉がみてみぬふりをし、そっと軍馬のえさを象に回しやすい場所に置いたとの話。詳しくはこちら