羊と鋼の森

本屋大賞受賞のこの作品、なにがビックリしたって、作者が大学時代の知人だったことだ。はじめは作家になったことも知らなかったので驚きでしかなかったのだけど、やりとりがあった20代の時のことを思い出し、彼女の片鱗を探す読書をしてみたら、なるほど、自分の知っている彼女がここにいる感じがした。
調律師には、年明け早々、ショパンコンクールのドキュメンタリー番組をみていたもので、その時から関心が高まっていた。調律師になる主人公が、ピアノを弾けない青年ということになっているのには驚きを感じたが、そういうものなのかな。。素直さがなければ伸びないというのは確かだと思うし、作中主人公を励ますためだけの言葉ではあったけれど、概ね1万時間することによってなんとかある域に達するというのはなにか説得力のある言葉のような気がした。
ひねくれものの元ピアニスト秋野さんに妙な魅力を感じてしまうな。ドラマ化などできそうな作品。
にやっとしてしまったのは、ピアノのトップメーカーとして彼女の学科のドイツ人の先生の名前が出てきたこと。

羊と鋼の森

羊と鋼の森