歌舞伎ッタ!

こちらのブログの記事がきっかけで読んでみた。よく歌舞伎や文楽をみにいくとき、あらすじを読んでも詳しすぎてちんぷんかんぷんになることがあるのだけど、勘三郎さんの舞台説明はかいつまんでいてとてもわかりやすい。1996年12月から1999年7月に演劇誌「ソワレ」で連載されたインタビューおよび99年10月に行われた追加インタビューを基に山下裕子さんという方が構成し文章をまとめられたようだけど、勘三郎さん(当時は勘九郎)の話しっぷりがそのまま伝わる楽しい読み物。
タイトルはオペラに対するオペレッタのような感じで、歌舞伎をできるだけわかりやすく伝え、多くの人に楽しんでもらいたいという勘三郎さんの気持ちが反映されている。ちょうどこのインタビューの一年後くらいの2000年、物心ついてからははじめて顔見世に行って勘三郎さん(当時は勘九郎)の演技に惹きつけられたのだけど、後ろの方に収録されている「久世光彦中村勘九郎を語る」に書かれているように、「ほんのちょっとした表現、伝え方っていうものを、現代のお客に伝わるようにしてやってるんじゃないかな」ということなんだろうな。あの時のだしもの調べていたら記録しておられる方がいらっしゃり、みていて感慨深い。
読むきっかけになったブログでも紹介されていたけれど、玉三郎さんや仁左衛門さんとの交友が本当に楽しい。今もご両人、息子さんたちを支えておられるものなあ。

シネマ歌舞伎になっているという「刺青奇偶」みてみたいな。「瞼の母」のところで書かれていた、長谷川伸のものを演じる時の、作者の意図はどうあれ、べたべたにならないように心がける演技の話もうなずいた。あっ、大河の「元禄繚乱」もみるチャンスがあればぜひみたくなった。(ここでちょっとだけみていても楽しい。画面にも出てきている柄本明氏とのつながりも出てくるが、最近息子さんたちの活躍もあいまって自分の中の柄本明氏への思いがいい具合に変化してきている。)

歌舞伎ッタ!

歌舞伎ッタ!