麗猫伝説

大林宣彦版「サンセット大通り*1であり、「悲愁*2でもある。「雨月物語」や「ドラキュラ」みたいなテイストもある。火曜サスペンスで放映されたらしい。火曜サスペンスにしては、大林色満載というか、映画への思いであふれている。(私が大林色と感じるのは、とてもロマンチックだったりちょっとふざけてみたりというところ。)
サンセット大通り」風に元監督と女優が、「悲愁」ばりに小島に住んでいるのだけど、その監督の設定が、「みずもりけんのすけ」なる名前で、完璧主義といわれる仕事の仕方もどうも溝口健二。。それをまるでニセ神父のような雰囲気の大泉滉が演じるという設定。溝口健二が女優役であり、まんまモデルの入江たか子に「化け猫映画にばかり出ているから」というような罵倒をしたという話をきいたりしているもので、ほんと和風「サンセット大通り」な気分を味わった。(あとで、いろいろ入江さんのフィルモグラフィーをみていると、晩年、大林作品にもちょこちょこ出ておられ、大林監督は入江さん大好きだったようなので、溝口風監督をあのように描くことによって、小さなかたき討ちをしたのかな?)
火曜サスペンスって、最後に作った人たちを紹介する一コマみたいなのがあって、(いつもかどうかは知らないけれど、ほかのものでもみたことがある。)入江たか子と娘さんの入江若葉が役を離れてにっこり語っているところの映像とかとてもよかった。入江たか子、「老醜」みたいなものがテーマのこんな作品に出る太っ腹さ。「入江プロ」なるものを当時の女性の身分でやっていくすごさというのをきいたことがあるが、人間が大きいんだな。
入江さんのことを調べていたら、面白いブログをみつけた。(こちら


麗猫伝説 [VHS]

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  • 発売日: 1999/01/21
  • メディア: VHS