七人の愚連隊

三谷幸喜氏が朝日新聞のコラムで、ミュージカルの話を書いておられたとき、「とぼけた味」としてこの映画を紹介されていて興味を持った。
今リリースされているDVDやブルーレイの表紙はシナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デーヴィス、ビング・クロスビーの4人のスターが並んでいる写真だけど、VHSのこの表紙が断然いい。

時代の空気を感じる楽しい表紙絵。チキチキマシン猛レースだとか、山藤章二さんの絵だとかに相通じるものが流れているように思う。64年製作で、自分の子供のころのテレビ洋画劇場だとかポピュラーな形で接していた映画のにおいがして楽しい。シナトラというと晩年の大御所風の姿が頭に浮かぶのだけど、60年代はこういう感じだったのだというのも新鮮。
サミー・デーヴィスJr.、前から好きだけど、愚連隊だけに「バン・バン」とあちこち破壊しながらのタップダンスは、アステアの全盛期の優雅なダンスが恋しくなった。
いいなあと思ったのはビング・クロスビー。澄ました顔して・・という感じがいい。服の着せ替えゴッコみたいになるところ楽しいし、「ドント・ビー・ア・ドゥバダー」の曲も魅力的だった。
あ、シナトラの歌声ももちろんよかったし、ディーン・マーティンの「ママを愛する男なら」も、演じている役にぴったりのナンバーで楽しい。
研ぎ澄まされた、なんて感じとは無縁の作品だけど、いろいろな趣向が活かされ楽しめる。ギャングのところにふらっと死んだ仲間の娘を名乗る女が・・というところで、「ポケット一杯の幸福*1も思い出したけれど、これはきっと定番スタイルなんだろうな。ピーター・フォークが甘くないギャングを演じているところもちょっとイメージが重なって・・

七人の愚連隊 [VHS]

七人の愚連隊 [VHS]