特選!! 米朝落語全集 第二十三集

1.ふたなり 平成三年六月十日 毎日放送ギャラクシーホールにて収録
2.一文笛 平成二年九月十八日 大阪コスモ証券ホールにて収録

ふたなり」の噺は、「夏祭浪花鑑」の中の近年上演されていない五段目「道行」という浄瑠璃にヒントを得たのであろう、と権藤芳一さんの解説に書かれている。タイトルがちょっと生々しい(権藤さんの言葉を借りれば「猟奇的な匂いがあって損をしている」)のだけど、東京では「書置き違い」とか「亀右衛門」というタイトルで上演されることもあるらしい。

「一文笛」は米朝さんの好きな友人のおすすめ。友人も「古くからの噺かと思ったら米朝さんの創作」とすすめてくれていたのだけど、いざ聴く段になるとそのことをころっと忘れ、わたしも古くからの噺に違いないと思いながら聴いていた。新作の突飛な感じとかないとても練れた感じの作品。前半部分の煙草入れの話は同様の趣向が浪曲や講談の「仕立屋銀次」の中にあるらしい。仕立屋銀次 名前はきいたことあるなあ。。

いくつか米朝さんの落語をきいて、そこに出てくるのは意外とシリアスな出来事も含まれているのだけど、人生においてはそういうこともある・・という風にどんと構えられるような、淡々と受け流せるような・・何か支えになってくれるようなものがある。

特選!! 米朝 落語全集 第二十三集

特選!! 米朝 落語全集 第二十三集