妻二人

今読んでいる金井美恵子の「映画、柔らかい肌。映画にさわる」(平凡社刊)に

岡田茉莉子も小津や吉田喜重作品に比べて、成瀬作品(と、増村保造若尾文子と共演した『妻二人』'67年)においてキラリと小さく輝く

という文章がある(p406)のだけど、それがよくわかる。この作品の岡田茉莉子、重くなくていい。実質的に「妻二人」みたいな状態になっている高橋幸治氏演じる「健三さん」とか、なんだかかっこつけたようなセリフをたくさんいわされる、悪い意味での二枚目役という感じだけど、結局のところ男性は女性陣の引き立て役という感じ。
おもしろくみられた。
岡田茉莉子がとまる設定になっている新宿のホテルとか出てくる部屋の雰囲気など画面の端々、モダンで、昭和レトロが好きな人はとても楽しめると思う。

妻二人 [VHS]

妻二人 [VHS]