牡丹燈籠

2011年5月明治座花形歌舞伎で演じられた「牡丹燈籠」、wowowで放映したものをみる。

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とてもわかりやすくひきこまれる。その中で、七之助さんの声色には古典の響きを感じさせ、わかりやすさとの共存がまたすばらしい。はかなげなお姫様の感じと、庶民のおかみさんの二役の声色の違い楽しめる。お姫様の方の美しくかわいらしいこと。
先日「三人吉三*1で、弟分的役割だった坂東新悟さんの女形二役、目に留まる。

牡丹燈籠のお話は中川信夫監督のテレビ映画*2でみていて筋は知っていたが、その中では悪が気持ちよくやられていたように思うけれど、こちらの舞台では、上村吉弥さんの演じるお国が、ひらきなおっていうせりふなど、阪本監督の映画「顔」のようで、悪の哲学みたいなものまで感じられた。

滑稽味と幽玄がうまくまざったおもしろい舞台だった。落語からのおはなしということで、勘九郎さん(というか当時は勘太郎さん)演じる三遊亭円朝の登場させ方もよい。話をうまくまとめる効果がある。