ばかもの

ずっと前に買って冒頭の結構激しい描写になんとなく気後れしそこで本がストップしていたのだけど、文庫本を持って出かけたいときにふとこれを携えてしっかり読み始めたら、ああこんな人たちがここに生きていたのにずっと自分は知らずに置いていたんだ!と思えるような世界が広がっていった。絲山秋子さんの本を読んでいると、人生をやっていくことの容易じゃなさの表現にすごい共感を覚え、どんどん読み進みたくなるのとともに、そこでもがいている姿がとてもうつくしく感じられ読んでいるものの気持ちに何かを灯してくれる。そして、出会った登場人物はいつもずっと心の中で生きている。

ばかもの (新潮文庫)

ばかもの (新潮文庫)