聖パンプキンの呪文

中ほどには寺山修司の終わりには宇野亜喜良氏の文章が載っていて豪華なつくり。70年代文化人のつながりっていつも何か魅力を感じる。背表紙のデザインなども70年代の香り。見返しも異国の印刷のように凝っている。

宇野さんの文章の中に

内田さんの世界の特徴はマンガの世界に、イラストレーションの要素を持ち込んだことで、それはコマの一枚一枚の絵が独立した絵画性を所有し得たという努力と才能に由来する。それは多分、指向する絵画をみながら勉強するかたちでなく、おそらく豊かな感性によって獲得した美学だと思われる。

と書かれているが、私の心に起きたものを説明してくださった感じ。
内田さんの世界に落ちる影がまた魅力なんだけど、この影がどう影響を及ぼすのかはらはらしながら読んで、ハッピーエンドだったときの幸福さも味わった。
ペルシャ民話からの「翼ある天使の花嫁」は、遠野で読んだおしらさまの伝説とパラジャーノフの映像が頭の中でまざった。

巻末の内田さんへのインタビューでまとめられた文章の中に内田さんが

ジャック・フィニーの「ゲイルスバーグの春を愛す」といった短編や「ふりだしにもどる」など、暇な時はいつも読んでます。

とおっしゃってるが、「ゲイルスバーグの・・」どこかで誰かが言及されていて頭のメモに書き留めていたんだけどどこでみたのだったかな・・
星座の物語も描いてみたいとインタビューでおっしゃってるけれど、みてみたいなあ。