どうで死ぬ身の一踊り

西村賢太氏が心血注いでいる大正期の私小説家藤澤清(実際は旧字体)造の法事やら全集やらのため奔走している日々を賢太氏の不器用で、失礼千万すぎて、腹立たしくなるほどの女性関係を織り交ぜて綴っている。「苦役列車*1にくらべると、まず最初の藤澤さんの略歴のところでちょっと躓きかけるのだけど、2,3P読むとすぐに西村賢太ワールド。自身の小心さ情けなさを遠慮なく描いていてまたまたすがすがしい。リズムもよいし、こっちの鬱屈もとりはらってくれる。氏の本もっと読みたい。

どうで死ぬ身の一踊り (新潮文庫)

どうで死ぬ身の一踊り (新潮文庫)