心中天網島

11月1月4月と文楽に行くようになってきて出演者のことや、構成などがちょっとずつわかるようになってきた。
ずっとシリアスな話ばかりだと観客が疲れてしまうので、緊張をほぐすシーンがさしこまれていること。今回もそのチャリ場がおもしろかった。主人公治兵衛にやたらからむ太兵衛というおっさんと連れが、ほうきでおどけてひいてみせる治兵衛をののしるうた。昔、仁鶴さんたち上方落語の人たちが夕方のバラエティ番組でやっていた「ベンベン ○○のようで○○でないベンベン」の源流をみた。そこの部分をきかせてくれた竹本千歳大夫さん、私が文楽に行くきっかけをつくってくれたパルコの三谷文楽に出演されていた方で、喜びを感じる。治兵衛のお相手小春をあやつっていた桐竹勘十郎さん今回もかっこいい!
ラストの感じとかだらだらしてなくて大層よかった。このお話は映画でみたことがあると思うのだけど、その時は女房のおさんが出来すぎているように思っていたけれど、今回文楽でみて、できた女房であることは確かでも、出来すぎではなく、その気持ちの流れはかなり自然に理解できた。

左上のふたりがうわさの道化っぽい敵役

この日記を書きながら桐竹勘十郎さんのことなど検索していたら、大阪市立大学上方文化講座のページにたどり着く。前に曽根崎心中のことを調べていて、曽根崎心中の日の夜空について 文楽とプラネタリウムをからませた催し大阪市立科学館がされていたのを知って感心していたのだけど、大阪いろんなことしているんだなあ。

舞台がはけたあとも、大阪のボンという感じの、嗜みがあるけれどがつがつしてない雰囲気があるおしゃれな二人組(一人は和服)の中年の男性たちがゆるやかにしゃべっておられるのをきいて思ったのだけど、大阪にはああいう豊かな良さがあると思う。