双調 平家物語 16

この巻にてこの物語は完。読み終えた。16巻は一気に読めた。やっとこさ一通り上の世代の人が極常識として語っておられる熊谷直実だとか、敦盛だとか、歌舞伎の方の本に出てきた梶原氏だとかがどんな人か認識した。「船弁慶」の知盛も、「すし屋の段」の維盛も、それらの話が出てくる素地のようなものを感じた。源氏と平家の違いもかなりつかめた感じ。
あとがきの中で橋本氏が語っていた「読者というものは、自分の知らない固有名詞が三つ続いて出て来るところまでは我慢をするが、それが五つ六つと続いてしまったら、本を投げ出してしまう―――自分に興味のない人間が主人公になっても、投げ出してしまう。」ということをふまえ、固有名詞には総ルビに近いような態勢で、というのはほんとに正解だ。