大江戸りびんぐでっど

シネマ歌舞伎」という映画館で歌舞伎を楽しむものがあって、中村勘三郎さんの追悼上映で19日まで宮藤官九郎の「大江戸りびんぐでっど」をやっているのでみにいく。歌舞伎座のさよなら公演でこれが行われたとは!大胆!大人計画の芝居とかみつけていたらすっと入ってくる題材もびっくりする人もいただろうな。
宮藤官九郎作の歌舞伎、この後に作られた「天日坊」を秋にみたけれど、「天日坊」の方が、中村獅童とか七之助とかも特徴を生かして思いっきり使われていて、円熟味が増していると思う。どちらかといえばこれはゾンビの群れということに主眼が置かれていたから
坂東三津五郎さん演じる四十郎っていう浪人がなんともチャーミング。そして立ち回りのかっこいいこと!扇雀さんの年増女郎っぷりもみていて楽しい。勘三郎さんの死去の際、すごく悲しんでおられるところをおみかけした古参中村小山三さんのおもしろい使い方、中村獅童のシーンの若いコミカルさや、「ええじゃないか」的群舞、そこから立ち上る現代とも相通じる課題、反芻して楽しめる祝祭的時間だった。

パンフ表紙も道具幕デザインもしりあがり寿氏。

※2020年8月 wowowで放映していたので再度みてみた。やはり三津五郎さん演じる四十郎に惹かれた。また、ゾンビを集めて危険労働をさせる現場に貼られた「誠実」の文字や、ゾンビが着ているハッピが新選組のような浅黄色であることにウケてしまった。クドカン脚本ということで、一度目は筋の面白さに気をとられていたが、勘三郎さんや三津五郎さんの手の動きの美しさ、ちょっとした動作も踊りになっているというところに感心した。

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