初山田風太郎。読みにくいのかと思ったらそうでもない。奇想天外であるというのはきいていたのだけど、ラストええっというような展開。同時代の人をうまく動かして、一大絵巻を作っている感じ。解説にも、子供時代の谷崎潤一郎のことが書いてあったが、夏目漱石と正岡虚子、川上音二郎などがふいに横切るおもしろさ。内村鑑三と二葉亭四迷の姿が心に残る。
大津事件が出てくるのだけど、ということは三谷幸喜のお芝居「その場しのぎの男たち」*1と、「恐れを知らぬ川上音二郎一座」*2はほぼ同時代の話か・・そしてそのちょっと先が「ベッジ・パードン」か。。と、三谷幸喜作品でしか歴史をなぞれない私。
ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集 11 ちくま文庫
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/10/01
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- 作者: 劇団東京ヴォードヴィルショー
- 出版社/メーカー: TBS
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- 出版社/メーカー: 東宝
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★友人澤村可奈子さんが2001年末におすすめ本をメールで紹介してくださったものの中にこの「ラスプーチンが来た」と、登場人物がかばっている林真理子の「ミカドの淑女」について書いてくださっていたものがあり、許可を得ているので転載。
両作者ともまとまった作品としては初めてでした。しかも、全くの偶然なのですが登場人物がかぶっているところがあり、ほとんど日を置かず読んだ澤村もちょっとびっくり。
「ミカド」は、推理ドラマのようなところもあり期待以上の出来でした。読了後の感想に「読み人によって、如何様にも感じ方が変わりそう。性格描写も納得でき、フィクションの部分も十二分にうなづける」と書いています。「ラスプーチン」は、エンターテイメント性に富んでいて、著者の前評判で聞いていたとおりでした。日露の関係をからめて、歴史とうまくシンクロさせています。
- 作者: 林真理子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/07/29
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