その男、凶暴につき

素晴らしかった。松っちゃんのコントの暴力とかもう一つなじめない甘ちゃんの自分なので、バイオレンス系?とみるまで時間がかかったが、殴る蹴る、もみていて納得がいく感じで不快じゃない、むしろ爽快。たけしのコメディアンとしての間合いのとり方が生きているように思った。私は、たけしのコマネチとかボケ的な芸より「何いってんだ!」みたいな、ツッコミ系の芸の方がおもしろいなと常々感じているのだけど、この作品は後者の笑いが散りばめられていて、ぐいぐいと退屈させることなく見させる。「アウトレイジ」でも受け継がれている娯楽性も伴った虚無感が満ちていて、たけしのダンディズムを感じさせる映画。サティのグノシエンヌ第1番 もぴったりあっている。


その男、凶暴につき [DVD]

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