ドラマの方のファンの人のあんまりよくない評判(吹石一恵がずっと仏頂面なのがどうも。。的な)を先に読んでいて、でも、宮藤官九郎の水木しげる姿は向井理氏よりリアリティあるなぁと、多くは期待しないけれどとりあえずみたいな気持ちでみたらなかなかよかった。布枝夫人が結婚してすぐに感じた気分っていうのは吹石一恵のあの表情で正解ではなかろうか。ちょっとずつ固かった心がほどけていくのが実感できるしみていて気持ちいい。
鈴木卓爾監督、信頼できる人がほめていることもあって、うっすら注目しているのだけど、劇的な表現を避け、降る日も淡々としなきゃならないことをやっていった先に・・という感じがよく出ていていてなかなかいいと思う。原作の風合いにちょっと変化があるかな〜と思った前作「私は猫ストーカー」でも今から考えたら日常に細やかな視線を送っていて大筋よかったと思う。
「ゲゲゲの女房」に戻ると、水木さんの漫画をアニメーションに活かしたシーンがとても雰囲気がありよかった。とってつけた感なし。そっちの世界に連れて行かれる感じ。普段の生活の中で妖怪たちが普通にさりげなく映り込んでいるのもとてもいい。ドラマ版での扱いよりずっとこのほうがいいと思う。
鈴木慶一氏の音楽も透明感があってすばらしかったし、前作でも思ったが鈴木監督の音選び、図選びのセンスってとっても好ましい。
ドラマ版では風間杜夫や大杉漣が実家のお父さんたちを演じてそれぞれの実家の家族の姿がおもしろかったのだが、そこらへんは映画では描かれてなかった。時間制約のある中ではこれでいいと思うし、より踏み込んで監督は夫婦二人の関係に絞ってこの映画を作ったのではないかな。
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