おじいさんと老牛の物語だけど悲壮感がない、ときいていたが、確かに・・おばあさんの罵倒の言葉(農薬使えば楽なのに牛の食べる草に毒という理由でおじいさんが農薬使ってくれない・・おじいさんは牛のことしか考えてない等々)が小気味よく笑いながらみることができた。小賢しく生きるのでなく、あきらめたもの勝ちみたいな強さが頼もしい。(状況はかなりしんどそうなのだけど。)少し新潟水俣病の影響を受けた人々を撮ったドキュメンタリー「阿賀に生きる」も思い出した。(「牛の鈴音」の方がおばあさんの毒舌のおかげで笑う部分が多かったが・・)
ドキュメンタリーで老牛の姿を追うとは、なんと根気のいる労作だろう。解説の言葉がなく淡々とまるでジャック・ペランがプロデュースした昆虫ドキュメンタリー「ミクロコスモス」*1のように事象を追っている感じ、気持ちがよかった。編集もとても上手で地味な題材なのに飽きずにおじいさんたちの生活する場の四季を味わうことができた。
そしてなんといっても印象的なのはタイトル通りの牛の鈴音。すばらしいところに目をつけているなあ。
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