續清水港(清水港代参夢道中)

昭和15年の作品で、戦後再公開されたときに「清水港代参夢道中」と改題されたという。「森の石松」の芝居をつけている演出家が江戸時代にタイムスリップして森の石松になり、周りの専務や事務員も全員江戸時代の人になっているというおもしろいつくりになっているのだけど、現代の方では、モーツァルトの曲がジャズっぽく演奏されたりして戦争中の映画と思えないモダンさ。

広沢虎造が出演もし、広沢氏の浪花節が劇中進行役をつとめたりするのだけど、その節回しのかっこよさ。「馬鹿は死ななきゃなおらない」「江戸っ子だって・・寿司くいねえ」などの有名フレーズがうれしい。このお話をみていて町田康氏の「宿屋めぐり」が森の石松風のところもあると初めて知った。ある時代までの日本人の常識、もっと身に着けていきたいな。

石松役の片岡千恵蔵のキレのよさ、美しさ。とっても堪能した。
志村喬さんの大阪弁の滑稽味あふれる演技に驚く。晩年のあの落ち着いた感じを基準にみてしまうけれど、そういえば割合戦中戦後すぐって志村さんああいう軽みあふれる感じを演じてられるのをいくつかみるなぁ。

清水港代参夢道中 [VHS]

清水港代参夢道中 [VHS]

  • 発売日: 1983/08/16
  • メディア: VHS