風が吹くまま

先日読んだ「イラン映画をみに行こう」によると、イランは詩の国で、映画の中に詩が必ず出てくるとのことだけど、それを意識するとこの映画もだし、今までみてきた映画の中にもたくさん詩からの言葉が引用されていたのだろうなと思う。
イランにはハーフェズとハイアームという二大詩人がいて、キアロスタミはハイアーム派で彼の詩をもとにして作っていることが多いとされていて、ハイアームの考え方というのは今の一瞬を大事にして、死んだ後とか、昨日のことは考えない、と書いてあったのだけど、「そして人生はつづく」などはまさにそういう感じだった。この映画には小さな村の珍しい葬儀を撮影しようと老婆の死を待っているテレビディレクターが出てくるのだけど、みていてなんかふっと語られていた詩との関係を思い出した。それともう一つ頭に浮かんだのは黒澤監督の「夢」の葬送シーン。黒澤監督の現場にもこういう一面ないでもないのでは・・などと思ったり・・

風が吹くまま【字幕版】 [VHS]

風が吹くまま【字幕版】 [VHS]