紅いコーリャン

チャン・イーモウの初監督作品ということだが、のちの彼の映画の要素(風景自体が舞台として機能していて、メリハリがあったり、女優さんを躍動感とともにとてもきれいに撮るところだとか)が各所にみえて興味深かった。
ビデオパッケージの後ろには「『紅いコーリャン』は、日本映画における『羅生門』に匹敵する中国映画だ。―――それは神話と美の世界を開く」というドナルド・リーチの言葉が記されているけれど、その感じはよくわかる。「羅生門」をひきあいに出したくなるような部分がある。
ただ日本軍がほんといただけない感じで登場し・・いたしかたないところではあるけれど、厳しいな〜。。チアン・ウェンがこの映画に出て、そしてそのあと「鬼が来た!」を作ったと思うと、「鬼が来た!」の、日本軍を描きながらも、それはひとつの象徴としての軍というのがすごくよくわかる感じはこの映画をうまく肥やしにしているような気もした。