オードリーとフランソワーズ

山崎まどかさんにとっての乙女の定番を紹介した本。映画をみているとき根幹のストーリー運びは今ひとつでも、とにかく出て来た部屋の雰囲気はよかったなぁ・・みたいな気分になることがあるのだけど、ここで紹介されている映画はちょっとそういう気分にならせてもらいそうな・・と書くと、嫌味みたいだが、そうではなく、この本の中にも書いてあるのだけど「木を見て森を見ず」って言葉があるけれど、山崎さんは森をみない、ってわけでなく、木を詳細にみる人って感じ。

美の世界を愛するけれど変に耽美的でついていけないほどではなく、ちょっと毒のあるコミカルないいまわしも楽しい。それは「おませなツィンキー」っていう、なんだか英国版「おくさまは18歳」みたいな、しかもチャールズ・ブロンソンが年上の夫役という、不思議と後をひくテイストの映画についてのコメントで思ったのだけど、たまたまビデオショップで借りたものの、この映画について誰かと感想を語り合ったことがない私には、こんなところまで分け入って、みたいな感じがまたうれしかった。

ハロルドとモード 少年は虹を渡る」のジャケットが載っていたけれど、かわいらしくてみてみたい。確か70年代の映画の本でもこの映画について読んだことがあったのだけど、その時は自殺マニアの少年が出てくるとか、もうちょっと息苦しいのかと思っていた。

映画、本、音楽、甘味と多岐にわたるおすすめが、独自のまとめかたで紹介されていて、魂のこもった文化祭みたいな本なんだけど、甘味で気になったのは神田小川町の「エスワイル」の焼き菓子。まだあるのなら今度東京の友人から、おみやげリクエストをたずねられたときにきいてみよう・・

オードリーとフランソワーズ?乙女カルチャー入門

オードリーとフランソワーズ?乙女カルチャー入門