先日読んだ同じ著者の「通天閣」*1や、まだ最後まで読んでないけれどちょっと読み始めたエッセイがすごく愉快な調子で書かれていたので、この本のタッチの違いにまずは驚いた。しかし、このあいだyukkekoさんが日記で吉本ばななさんの話をされていたときに
ばななさんは読者に対して深く掘り下げて読んでもらわなくてもかまわない。ふっと心が軽くなるとかそんなかんじでいいと言っておられました(意訳)。自殺を一旦思いとどまるとかそれでいいのだというかんじ。ただし気持ちのいいことだけ書いてあってもそれを読んで自殺は止まらない。苦しみとか苦痛とかが入っていないと、人間は絶対救われないと断言されていました。
と書いてくださっていた言葉が心に残っていたのだけど、この本もそういう感じで、苦痛の部分をちゃんと書いてるからこそ・・というところがある。その苦痛は共感でき過ぎて痛いほどだったんだけど。
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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