大好き。上原謙が運転する山間のバスに乗ってくる人々が人生のいろんな局面を表現しているのだけど、それに対する皆の対応が、心がこもっているのだけどしつこくなくて。その感じは上原謙に代表されていて、男前で礼儀正しいのだけど、天然、みたいなところもあって、すごくおもしろい。(気をつかっているのだけど、相手が困るような話の運びになったり・・)昔のお芝居、って感じのゆっくりのせりふ回しも心地いいし、不景気な世の中なんだけど、まぁなるようになるさ、っていうようなのんびりした音楽も素敵。ひげの紳士然とした人の雰囲気が、「東京物語」とかの杉村春子的な役回りで、現実的で愉快。乗り合わせたお姐さん(後で確認したら小津安二郎の「淑女は何を忘れたか」でもかっこよかった桑野通子だった。)のきっぷのよさ。ひげとお姐さんのお互い牽制気味の空気も楽しい。とってもよい時間を過ごせた。
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2008/04/25
- メディア: DVD
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