風が強く吹いている

友人たちはもう随分前に読んでいるこの本、今頃読み終わる。(友人が読んでいたときは、はじめの、アパートの住民紹介のあたりで一度挫折していたが、この夏遅ればせながら「スラムダンク」にはまり、あの夢中になった心のやり場を探して再び青春スポーツものらしいこの本を読み始めたのだった。)今さらながらなんだけどものすごく感動!今まで自分はしをんさんのエッセイやコラムの方が小説より読みやすくて好きかな〜とか思っていたのだけど、これを読んで、いやいや、しをんさんの本来のお仕事は、こういう、一緒に夢をみさせてくれるストーリーを紡ぎ出すことだ!コラムもおもしろいけれど、すっかり入り込める小説の世界をもっとみせてほしい!と思った。清瀬ハイジって先輩の名前がすごくいいじゃないか!そしてユキなんて仲間もいて、「アルプスの少女ハイジ」みたいな清潔な感動があって!江戸時代の絵図のような表紙もとってもすてき。群像劇の楽しさを思う存分味わった。カメラがかわるようにそれぞれが今どんな気持ちでそこにいるのかしっかり描かれていて「新選組!」をみて毎週感動していた日々のような感慨がおそってきた。よくできた青春ものは本当にいいな!

風が強く吹いている

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