三文役者のニッポンひとり旅

遊郭殿山泰司さんがたずねるということで、ネットで注文したのだけど、現物をはじめてみたときは、男性週刊誌の風俗欄みたいなタッチで、これは女の読むものじゃなかったか。。などと思い、しばらく置いていた。最近自分の中で70年代検証ブームみたいなのがおきていて、その流れで1977年に書かれたこの本を読んでみたら、うまい文章にひきこまれる。旧遊郭を外からふらふら歩いているんじゃなくて入り込んで書いて、それこそ風俗的なことどもが書いてあるにもかかわらず、なんだかさらっと人生の深いことが書かれているし、殿山さんの知性がすごく光っている。

三文役者のニッポンひとり旅 (ちくま文庫)

三文役者のニッポンひとり旅 (ちくま文庫)