あらくれ

映画に出てくる女の人のけんかで、これほど気持ちのよいのをみたことがない。徳田秋声の「あらくれ」というタイトルをきいただけでは、まさか、高峰秀子があらくれてる映画とは思いもかけなかったのだけど、たくましくてとてもすばらしい!
成瀬監督の映画に出てくる風景をほめる方が多いけれど、これも大正初期の風俗考証を木村荘八という方が担当され、すごくきちんとしているらしい。作ったようなレトロの多い中、作為を全然感じない自然な感じの仕上げが大人の仕事、という感じで、成瀬監督の映画にいつも流れている成熟した雰囲気の一翼を担っておりとても楽しめた。

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