都と京

この本のうしろの著者の紹介のところに「すらりとすました独特のですます調」ってあるのだけど、本当にこれが酒井さんの文章の特徴で、なんだかいつも落ち着いてさめているような印象もはじめはもつし、あつくなりすぎのこちらを見下げているのでは。。というような気持ちにさえなってしまったりもするのだけど、そのちょっと皮肉交じりのユーモアをたたえたような視線は酒井さん自身をも含めたすべてに平等にむけられていて、読み進むにつれ心地よくなってくる。

そして手垢のついた京都ー東京論でなく、本当に今現在の30代、40代の女性が愉しむ京都をちゃんと味わって分析しているところがいいし、クールな視点とうまい語彙が楽しめる。あと歴史的なこともごくカジュアルにでてきたりするのも酒井さんらしいよい仕事っぷりだと思う。

都と京

都と京