結婚失格

冬休みの終了後、または休み明けの月曜日、自分は出勤ではないのだけど、家にいるとぽつんとしてしまったりする。自分はこの先生きていけるんだろうか?みたいな心細い気分になって。

この小説は、離婚後、調停がなかなかすすまず、うまくこどもに会えないマスノさんがその実生活を一応小説の形で書きながら、主人公が読んだ本としてその中に書評もとりいれてある本。雑誌連載中はマスノさんのことが心配で消息を知る意味で読みたいなと思ったりしていたのだけど、本にまとまって、「驚愕の同時進行形小説」というオビをみたときは、なんかのぞき趣味ぽかったらイヤだな、と逆にためらいが。実際読んでみると、現実にかなり即しているのだろうな、とは思うけれど生々しくもないし、妙に心細い昨今の自分の気持ちにすーっとはいってきて心地良い。「あるきかたがただしくない」の巻末の河井克夫さんの漫画を読んで、マスノさんって実際そばにおられたらどんな感じ?とか思ったのだけど、こっちの方の穂村弘氏や長嶋有さんのエッセイを読んでなんとなくトータルに理解できた。どこまでも誠実に対応しようとして、それゆえ問題がすぐに解決しなかったりするんだろうな・・でも、文章で接する自分としてはそこがいいと思えるし、これからも作品とても楽しみ。

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