おそめ

おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生

おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生

先日「夜の蝶」という映画を観た。銀座のバーのママの闘いの映画なんだけど、モデルがいることを知らされ、渦中のひとりは京都出身、しかも自分が今住んでいるところの割合近くにお住まいがあったということをきき、とても興味を持った。この「おそめ」は、その京都出身のおそめさん(本名 上場秀さん)の半生を綴ったものだ。ご本人が決して多くは語られなかったので周りの人への根気強い取材を積み重ね、彼女の人生をトレースしている。「夜の蝶」では、したたかに成功しているそのさなかでおはなしが終わるけれど、この本にはその後のストーリーも「夜の蝶」と実像の差もきっちりと描かれていた。そして、藤純子の父である俊藤浩滋との関係も。350ページにも及ぶ本だけど、一気に読ませるおもしろさに満ちた本だった。おそめさんは祇園出身で、祇園時代の話もでてくるのだけど、花街の暮らしやそこでのできごとってとても興味深い。以前に読んだ祇園の小まめさんの聞き書きもすごくおもしろかった。
夜の蝶 [VHS]

夜の蝶 [VHS]

聞き書き 祇園に生きて

聞き書き 祇園に生きて