THE有頂天ホテル

まっさらな気持ちでみたいからできるだけ宣伝をみないようにして、行くのを楽しみにしていた三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」に行ってきた。

三谷さんの作品でいつも感じるのは品のよさ。奥行きの深さ。古畑任三郎の中でも、古典の勉強しないしゃべりだけは上手な落語家のことを「あれだけ人の気持ちをひくしゃべりができるのだから、古典を勉強すれば噺に深みがでるのに。。」と師匠が惜しがるような回があったのだけど、それは三谷さんの考えそのものって感じがする。

今回も「グランド・ホテル」*1と「有頂天時代」という昔のハリウッド映画への思いをこめてこの映画を撮ったとのことだけど、それ以外にも篠原涼子の役にマリリン・モンローっぽい雰囲気もあったり、音楽も往年のシャーリー・マクレインの登場する映画やブロードウェイミュージカルで使われたものがラストに流れとてもよかった。もう一曲、映画の要になる曲があるのだけど、これが甲本ヒロトの作詞で、胸をうった。

キャスティングにも過去の映画やテレビ作品へのリスペクトがいつもこめられていて楽しい。。視聴率は苦戦したけれどすばらしい配役陣のチームプレーでわたしは大好きな三谷ドラマ「合い言葉は勇気」ともかなり重なっており、そこも楽しめた。

この映画の中でも佐藤浩市の存在感はずばぬけていた。本当にみほれてしまう。退屈させない構成で2時間強をずっと集中して楽しむことができた。

THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]

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